オーディション商法とは
声優を目指したい人今回めちゃくちゃ重要な話をします！
筆者であるふーくんは19歳の時に声優の専門学校へ入学し、卒業後に舞台やナレーションを15年以上経験しております。
昨年の11月より念願だったナレーターとして独立し、大手会計事務所から業務委託を受け月25万くらい稼げるようになりました。
今回は、「オーディション商法」について解説していきます。
定義としては、作品への出演権をかけたオーディションを行い落選すると養成所の勧誘をし、次回の出演権などを仄めかし、養成所費や出演料などを役者からかき集めて運用する商法です。
塾長！塾長！オーディション商法に気をつけろと言われても、応募しなきゃ夢は叶わないよ？
その通り！だけど、夢を搾取しようとしている悪徳な企業もあるから、その判断基準の話をするよ！
なるほど！でも、どうせ自分なんか大して演技が上手くないから、小さな実績でも積めたら、それが記念になるかなって考えちゃうよ。
ピピー！その思想は危ないよ！何でも良いから実績が欲しいと思う気持ちに付け込まれるんだ！
ラジオ番組出演オーディション
事務所名などは控えさせていただきますが、新宿から程近い駅にて自身のラジオ番組が持てるといったオーディションがありました。何年か前にどんなものだろうと興味本位で応募し、実際に体験してきました。狭いブース（多分２畳くらい）にマネージャーっぽい人が居て、自己PRとアテレコ（絵合わせ有り）をするという、極々普通の内容のオーディションでした。
結果としては、もう少し勉強を積んだ方が良いというアナウンスがあり断ったのですが、自分の番組を持てるという内容はどういったものでしょうか？と尋ねてみました。
それが、驚くことに養成所生が月1万も出してコミュニティFM番組を持つといったものでした。実践方式の養成方法という謳い文句のようですが、どう考えても声優事務所が生徒に番組費用を持ってもらいお金にもならない実績にもならないような事をさせて抱え込むというもの。
恐らくですが、番組代1万以外にも養成所費や何かしらの費用を請求されたりし、すべての運用費を生徒から賄っているのでは無いかと考えてしまう程です。
有名な通常の（コミュニティFMやミニFMではない）FM局の番組のパーソナリティであればもちろん実績になりますが、自腹を切っている以上仕事ではありません。それならば大手養成所に通って所属を目指す方が断然マシです。度胸試しとして応募してみるのは良いと思いますが、本当に気を付けてくださいね。
ラジオ番組に憧れる人は多かった。コミニティFMでも実績にならない訳じゃないから勘違いしないように！お金を払ってまで得る実績では無いという事を念頭に入れておいてね！
自主製作映画の出演オーディション
とある合同会社が自主製作映画を作るとの事で出演者を募集しておりました。
こちらは制作会社のようで、企画を打ち出しては自主製作映画を作り、映画館で上映されるので実績になると言う触れ込みでした。
渋谷辺りだった記憶があるのですが、ボロボロの雑居ビルの一角の地下をスタジオとして使っているようで、会場に行ってみると大体30人程度の人が居ました。結構人が集まっているんだなぁと期待が膨らみ、1分間の自己PRと台本読みをさせるスタンダード（多分どこも同じ）なオーディションがスタート。見るからに演技経験の無い人もいれば、それなりにやってきているであろう人も居ました。
30人の中で目立たないとなぁと考えて、自己PRの内容を変更し「ニコニコ動画で1万再生超えが2本！Twitterのフォロワーが2000人以上居ます！」と分かりやすい数字を打ち出してみました。
それがお眼鏡にかなったのか全員受かったのかは知りませんが、制作会社から合格の通知をもらい説明会があるからそこに来て欲しいといそいそと向かってみました。
詳しく話を聞いていくと、自主製作映画はお金が掛かるから役者から10万を集めて1本の映画を製作するというとんでもない話でした。流石にちょっと…と断ろうとした時、制作会社の人はDVDを30枚売れば元が取れますよ！と更に追い打ちを掛けるように言われました。舞台のチケットより売りやすいなどの口上がありましたが、どんな作品になるかも分からないノルマ制の映画なんて出たくありません。
奥の機材置き場みたいなものに目をやると、家庭用ホームビデオのちょっと良いくらいのカメラしか置いてなかったと思います。どこまで搾取する気なんだこの人達はと呆れ返り、しっかりとお断りしました。後日オーディションで知り合い実際に出演した人に話を伺うと、20分くらいで終わる短編を4つオムニバス形式にしてDVD化するというもので、映画披露会なども行われたが、これもチケットノルマ制で、しかも映画館ではなく50人くらいしか入れない小劇場に、スクリーンを置いて上映するというものらしかったです。これが、嘘は言ってないだけで誰もが騙されたと感じるような粗末な企画でした。
実際、舞台に出演するとなるとチケットノルマというものがあって、大体3000円のチケットを30枚程度売る事を課せられて、ノルマ以上売れればチケットバックがあるという方式が殆んどです。じゃあ、それと今回は何が違うの？と言う話になるのですが、全く違います。
舞台は小劇場を5日間程貸切って行い、舞台美術や音響や照明に莫大な費用を掛けており、チケット3000円に見合う役者の演技と演出を目指す前向きな発表の場、そして何よりLIVEでしか味わえない臨場感も加わるので、来場してくれた人が満足してくれた時は嬉しいし、不評だった場合は悔しい気持ちになれる充実した経験となります。
しかし、今回の映画化企画は簡素な撮影機材にどことも分からない制作会社、演出などにも拘っておらず、すべてのお金を役者に負担させるシステム。出演時間は舞台なら1時間半～2時間が当たり前の中、20分と言う小さい枠の中で平凡なシナリオが展開されておりました。結論、2000円のDVDとしての価値が無いです。時間をかけて30枚くらいなら捌けるかと思いますが、確実に黒歴史になるので皆さんも手を出さないように気を付けてください。
ここで注意しないといけないのは、その作品に見合った価値が生まれるかどうか。やってみなければ分からない部分もあるけど、分からないものには手を出さないくらい慎重で良い。
歌手のプロダクション所属オーディション
こちらもかなり前にはなるのですが、すでに音楽がストリーミング配信が可能になり、カラオケボックスで楽曲の配信（当時はカラ鉄のみだった）などにも比較的ハードルの低い世の中になっていました。歌い手をやっていた事もあり、歌のオーディションも面白そうだと思い探すとメジャーデビューが出来る！と言う触れ込みのインパクトあるオーディションがありました。
ここは渋谷にオフィスを構えるプロダクションのようで、HPを見ると犬系男性1人を宣伝塔にした芸能事務所を運営しておりました。その人がyoutubeで歌をアップロードしたのですが、結構キャッチ―で気に入ったので、それならばと思い応募したように記憶しております。
音楽を作っている人は、ボカロPでDECO*27さんと同じ事務所に居たとか居なかったとかの経歴の人らしいのですが、当時ボカロをガンガン聴いていたふーくんでも聞いたことが無い方でした。
オーディションというよりは面接みたいな感じで、芸歴書と簡単な質疑応答を受けました。活動方法としては、ライブを開催して観客100人を集められればメジャーデビュー出来るよ！という内容でした。ノルマは大体30人くらいそれ以上ならチケットバックが500円入るそうです。
自分でもライブの運営などをしていた時期だったので、チケット捌けそうだし話題作りにも良いかなと思い、前2つに関してはお断りしたのですが、こちらは物は試しだと実際に活動を開始してみました。昔のTwitterにその時のつぶやきがあった筈なのですが、過去過ぎて遡れませんでした（誰か見つけて…）。1回だけ恵比寿でライブもやりノルマ自体も支払うことなく終演しました。やっぱりガンガン歌うのって大事ですよね！しかし、一度やってみて振り返ったのですが、これってプロダクションを通して活動する意味はないのでは？という思いが強く残りました。
今回の内容としてポイントは、オリジナル楽曲（知らないボカロP）が作ってもらい、全国カラオケ配信出来る！の2つです。オリジナル楽曲については作曲できる知り合いが居たので、その人にお金を払って作れば5万～10万くらいで作成可能です。
カラオケ配信については以下の情報が出てきました。
サービス名称：かんたんカラオケ配信
提供開始日 ：2016年2月10日(水)
価格 ：1曲3,800円(税込)～
配信先 ：「JOYSOUND MAX」「JOYSOUND f1」「カラオケの鉄人（全店舗）」
どう考えても自分で出来る！！！しかも、マージンとか全く取られない！？と普通の人なら誰でも気が付く事がぽーんと頭から抜けていました…。
活動を途中で辞めると違約金が掛かるみたいな縛りもありましたが、その辺は何とでも言って反故に出来るので、直ちに活動休止をプロダクションに要請をし、無事（？）費用的被害無く解約が出来ました。
こういった「メジャーデビュー」や「オリジナル楽曲」という謳い文句に釣られてしまう気持ちは凄く分かります（というか経験してます）が、先ずは自分で頑張れば出来るのではないか？や事務所に所属するメリットは何か？といった事をオーディションを受ける前に一度考えてみてください。
それは、本当にあなたにとってメリットがあるオーディションですか？
やる気搾取なんて言葉が昨今ブラック企業で囁かれているが、これは夢を叶えたいというやる気搾取の一つと考えても良い。
まとめ
いかがだったでしょうか？この記事を見れば、オーディション商法といったものがどういうものかが分かったかと思います。
このように、合法ではあるんだけど殆んど詐欺に近い運営をしている所は以外とあります。と言うか、大手声優事務所も資金源は養成所費だったりすることも珍しくありません。
ここで言いたいのは、お金を払ってまで意味の無いクレジットを増やすことはやめましょうということ。そして、オーディションに応募する際は、運営会社が本当に信用出来るのか（分かりやすく有名企業かどうか）など、立ち止まって考えてみてください。
この記事を通じて、少しでも被害に遭われる人が少なくなることを切に願っております。
下記の記事に「声優になるにはどうしたら良いか」いくつかの方法を書いてあるので参考にしてください。
感想や質問などがありましたらコメントやTwitterからご連絡くださいね。
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それではみなさん！サラダバー！
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